キミカ特集① JAPAN SDGs AWARD 2020 特別賞受賞!株式会社キミカとは?

 TIPSが『SDGs・ダイバーシティ』をテーマに自ら取材し、発信するWEBメディア RECT。第二弾は、2020年末に行われた 第4回ジャパンSDGsアワードで、特別賞(SDGsパートナーシップ賞)を受賞した株式会社キミカを取り上げます。国内で唯一「アルギン酸」という物質を製造する同社ですが、一体どのようにSDGsに取り組んでいるのか、そして「アルギン酸」とはなにか… 同社代表取締役社長 笠原文善氏にお話をうかがいました。すると、キミカの努力と節約の歴史、他社とは全く異なるSDGsへの関わり方、そして、アルギン酸がとても身近で、可能性にあふれた物質であることがわかりました!


■ 株式会社キミカ とは

 1941年に、笠原文善氏のお父様である笠原文雄氏が千葉県富津市で君津化学研究所として設立し、今年で創業80年を迎えるアルギン酸メーカー。同社の歴史は、戦時下の物資不足のなか、海岸に打ち上げられた海藻が活用されていないのを目の当たりにした文雄氏が、海藻から付加価値を生み出して供給できるようにしたいと独学で研究をはじめ、日本ではじめてアルギン酸の工業的製法確立に成功したことからスタートしており、その知識と技術をもとに、現在では日本で唯一アルギン酸を生産しています。国内で利用されているアルギン酸は、ほとんどが同社で作られたものです。


■ アルギン酸 ってなに??

 皆さんも気になっているであろう、冒頭からここまでですでに6回も登場している「アルギン酸」。アルギン酸とは一体何なのでしょうか。


― アルギン酸とは

 アルギン酸は、海藻のネバネバ成分からつくられる『天然の食物繊維』で、製品としては白い粉末の状態で供給されます。海藻が海中を揺らめくしなやかなボディを持ち、波に揉まれる環境でもすくすく育つのは、アルギン酸がゼリー状となって海藻の細胞間隙を満たしているから。そんな「アルギン酸」、正直聞いたことがないですが…一体どんなところで使われているのでしょうか。

― 実はとっても身近なアルギン酸

 アルギン酸は、名前を聞くと実験や工業に用いそうなイメージを抱くかもしれません。実際に、当初は繊維を染めるノリなどに用いられましたが、その後はより高純度で精製できるようになり、食品や化粧品へと用途が拡大、現在では医薬品・医療機器にも使われています。私たちの身近なところでは、例えば、ほとんどの人が食べたことがあるだろう “コンビニで売られているパン” に、アルギン酸が使われています。アルギン酸のおかげで、水分がしっかり含まれてふっくら・しっとりとした食感で、冷蔵してもパサパサにならないパンに仕上がっています。ほかにも、コンビニで売られている中華麺や蕎麦がほぐれやすく、もっちりとした食感に仕上がっているのも、麺にアルギン酸が配合されているから。ほかでは代替できないユニークな性質をもつアルギン酸は、海藻からつくられる自然由来の安全な素材として、コンビニで売られているパンや麺、お惣菜など、多くの商品に利用されています。コンビニの商品ラベルにアルギン酸と書いてあったら、ほぼキミカのアルギン酸で間違いないそう。次からチェックせずにはいられません!!

― 最先端の研究を支えるアルギン酸

 アルギン酸は最先端の研究分野でも注目を集めています。例えば、カルシウムと反応して瞬時にゲル化する性質を活かして、3Dプリンタのインクとして活用されており、アルギン酸を素材とした人工心臓も作られています。また、再生医療分野でも盛んに研究され、実用化が進んでいます。アルギン酸の医療分野での活用は内服薬を中心に進んできましたが、体内に投与したり埋め込んだりして使用する再生医療分野では、内服薬と異なり、より高い純度での精製が必要になります。この医療分野向けの活用の研究をはじめた当初は、そのような高純度のアルギン酸を製造できる供給元はなく、キミカは、アルギン酸を使って多くの方の痛みを和らげ、QOLを向上させることに貢献したいという想いから、先行投資と長い時間をかけて、昨年高純度を必要とする医療分野で利用できるアルギン酸の製品化を実現しました。医療分野で使える高純度のアルギン酸をつくれるのは世界でもごくわずか。キミカのアルギン酸は、可能性にあふれた物質です!(2021.03.12追記)


■ 第2回に続く

 第2回では、キミカのアルギン酸とSDGsの関係について深掘りしていきます!


(Writer:三浦央稀)


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