かわさきFMに出演しました!

2月28日(火)、地域に密着し、武蔵小杉のスタジオから川崎市の街や市民に関する情報を発信する川崎市のコミュニティ放送局 かわさきFMの『株式会社CSDプレゼンツ 川崎ドラ街ックニュース ラジオ版「川崎ロイター」』に、TIPSメンバーで川崎市民の山本が、めだか荘(インコントロ)の赤峰氏、榎戸氏、REDA JAPANの上野氏とともに出演しました! 

番組では、川崎市高津区の梶ヶ谷にある「めだか荘」を拠点に、服飾界の大御所である赤峰幸生氏と、ウールを軸にファッションのサステイナビリティを発信する上野伸悟氏を中心に熱いトークが展開されました。TIPSの活動テーマである『サステイナビリティ/持続可能性』と『ダイバーシティ/多様性』にも深く関わり、示唆に富んだおふたりのお話をご紹介します。


衣食住を軸にした「暮らし」を伝えていく by 赤峰幸生氏

▲赤峰幸生氏(写真中央)

■ 梶ヶ谷に開いた『めだか荘』 

東京で生まれ育ち、約60年、仕事も東京でしてきましたが、どんどんビル化し、私が子供の頃のような自然が少なくなりました。そのなかで、都心から「近くてちょっと遠い」ところ、急行の停まらない梶ヶ谷という場所を選んで、9年前に拠点を設け、めだか荘と名付けました。 

▲めだか荘(インコントロ HPより)

めだか荘には、全国から多くの方が集まってきます。なかには、高校生の方もいて、まずはめだか荘がどんなところかを知りたいといってくださるので、オープンめだか荘を開催しています。

クラシックスタイルが好きで、大学3年生のときに赤峰先生に師事し、現在もインコントロで働く榎戸さん。この日も、素敵なクラシックスタイルの装い。(TIPS 山本とともに) 

 めだか荘の名前は「めだかの学校」に由来します。人は衣食住のなかで暮らしているので、服を着ることはもちろん、食事で言えば箸の上げ下げといった所作、住むところにも部屋の丁度の色の美しさであったり、または生き物である花を住むところのなかに置いたりと、そういった “暮らし” を、若い方々に伝えたいという想いから、めだか荘と名付けました。


 ■ ひとりひとりの個性の時代

就職活動をされている方や新入社員の方が多い今の時期はとくによくお見掛けしますが、真黒なスーツを着ている方がたくさんいらっしゃいます。ビジネスパーソンも、黒で良いかと思いがちです。しかし、黒は「自分を殺す色」ですので、おすすめしません。これからの時代は、服を通じて、着る方の内面の個性を外に出し、その個性がもつ魅力を仕事に生かしていただきたい。昔から『四十八茶百鼠(しじゅうはっちゃ ひゃくねず)』といって、グレーにも百色のグレーがあります。その方のお仕事や目力を見させていただいて、こういった色や着方が似合うというのが、この歳になってある程度見えてきたので、誰一人として同じ体形の方はいらっしゃいませんから、その方に沿ったアドバイスもさせていただいています。これまで、百貨店やファッションブランドで顧問やブランドの立ち上げをやらせていただきましたが、現在は「AKAMINE ROYAL LINE」ブランドのカスタムクロージングで、お客様ひとりひとりに向き合っています。


■ ただ「服を着る」のではない

服に対して、自分の好みやスタイルをつくることができれば、日々のモチベーションや仕事への向き合い方も大きく変わり、前向きになると思います。一方で、まだまだビジネスパーソンの方でも、ネクタイを締めることもぎこちない方も少なくないですよね。サミットをご覧になるとわかりますが、ヨーロッパの方々は群を抜いてきちっとされています。そういった装いの基本や、そういった装いをお召しになった上での所作、佇まいについてもアドバイス申し上げたいと思っています。


■ 日本文化のいいものを伝えていく

サステイナビリティという言葉が独り歩きをしていますが、私にとってこの考え方は50年前から当たり前です。断捨離で服を少なくするという考え方もありますが、めだか荘には30~40年着ている服がたくさんあります。それが生き方だと思います。服を軸にしながら、暮らしの基本である衣食住、クラシック文化、日本のいいものを若い方に伝えていくのが私の役目だと思っています。 


【参考】赤峰幸生氏 出演 フォルツァスタイル(講談社)『ユキちゃんのひとりごと』


ウールを通じてファッションのサステイナビリティを考える by 上野伸悟氏

▲上野伸悟氏(写真中央)

■ “ウールマン” 上野伸悟

私は、メガネとアップルウォッチ以外は、下着も靴も靴下も、全身ウールを身に着けています。ポリエステルなどの合成繊維の服はもちろん、綿の服も持っていません。また、日本人として唯一の「ニュージーランドメリノアンバサダー」の称号もいただいていまして、赤峰さんと共通の知人である服飾業界の方に、「上野さんって、ウールマンですよね」と言っていただいたのをきっかけに、ウールマンを名乗らせていただいています。 

ウールマン 上野伸悟(インスタグラム)


■ 生地メーカー REDAの取り組み

イタリアの生地ブランド REDAの日本支社 REDA JAPANで代表取締役をやらせていただきながら、ライフワークとして、ファッションの環境問題を知っていただく機会づくりに取り組んでいます。赤峰さんのお話でも、サステイナビリティと言われる前から当たり前の感覚であるというお話がありましたが、REDAももちろん、SDGsと言われる前から、サステイナビリティに取り組んできましたREDAのポリシーとして、30年以上前からソーラーパネルを用いたクリーンエネルギーの活用をはじめ、織物を作る上で使われる水の工業廃水を、自社の浄水設備によって飲めるレベルまで浄化し、7割を再利用しています。 染色方法についても、生地や糸になる前の段階での『トップ染(ワタを染める)』を積極的に採用することで、染色における水と染料の消費を最小限に抑え、有害物質を一切使わない取り組みも行われています。REDAは、生地メーカーとして世界で最も環境に負担をかけない素材を作っていると自負しています。そんなREDAがつくるウールは、もちろん環境に優しい素材です。 


■ ファッションの環境問題とウールの魅力

実は、海洋マイクロプラスチック汚染の大きな原因が、ファッションにあります。海のプラスチック汚染と聞くと、プラスチックごみやビニール袋などのイメージを持たれる方が多いと思いますが、実は海のマイクロプラスチックの35%は、合成繊維の服を洗濯した際に生じます。この話題は、ファッション業界ではタブーとされています。では、ウールはというと、自然由来で土に還る一方で、丁寧に手入れをすることで非常に長持ちする素材です。赤峰さんがおっしゃった何十年と来ている服は、ほとんどウールだと思います。私も、10年以上来ているジャケットやワードローブを持っています。匂いが付きにくく、乾きやすく、夏も快適な、とっても機能的な素材であるウールは、「いいものを長く着る」というコンセプトにピッタリです。 私がライフワークとしているのは、こういった「問題」や「選択」を、ひとりでも多くの方に知っていただきたいという想いがあるからです。155万人の川崎市民のみなさんにも、衣服がマイクロプラスチックを出すということを意識していただいて、できる範囲からでも天然繊維という選択を考えていただきたいです。


■ ニュージーランドで作られる『ニュージーランドメリノ』

ニュージーランドは、羊に優しい国です。広大な土地を活かし、ニュージーランドの羊たちは、暑い時期は山の涼しい避暑地で、寒い時期は山から下りて暖かいところで暮らします。これは、山岳羊毛と呼ばれます。広大な土地があることから、エサも豊富ですが、ニュージーランドでは牧場の緑地化にも力を入れています。「ニュージーランドメリノ」と見かけたら、REDAに限らず、ぜひ選んでいただきたいですね。 


【参考】TIPSのWEBメディアRECT REDA特集(全3回)


実は、めだか荘のある川崎市高津区には、牛の牧場があります。羊の牧場も、できるかもしれませんね。(Reported by 山本亜美)

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